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昨年の知事選で女性候補者をねぎらう広瀬めぐみ氏(右)=2023年9月3日、盛岡市、伊藤恵里奈撮影

 勤務実態のない公設秘書の給与を国からだましとったとして、東京地検特捜部に詐欺罪で在宅起訴された広瀬めぐみ前参院議員(58)=自民党離党=の辞職に伴う補欠選挙で、自民党県連は公認候補の擁立を見送ることを決めた。政権与党の候補者が不在となる補選。「女性政治家」に期待する声が国政や地方政治で高まる中、岩手ではこれから膨らむのか、しぼんでいくのか。

 「女性政治家は必要ではないか。女性が生きやすくなると期待したくなる」

 盛岡市の20代の会社員女性はこう話す。出産や子育てにはお金がかかる。女性議員にそれらの支援を頑張ってほしいと思っていた。ただ、今回の事件を受け、「問題を起こすばかりなら、何かしてくれる男性議員の方がいいと思ってしまう」とまで考える。

岩手選挙区選出で初めて女性の参院議員となった広瀬氏。この事件がもたらしたものは何か。有権者や政治家に聞いた。

 参院選で「女性」を理由の一つに、広瀬氏を擁立した自民県連。擁立に関わった県議の一人は「候補に選んだ理由は、女性で(大票田の)盛岡出身だからだ」と打ち明ける。

 補選では、自民県連は「広瀬…

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